何の問題もなく使用している携帯用ヘッドホン・アンプ(HPA) だが、最近面白いサイトを発見したのでそこに掲載されていた構成を試してみることにした。
新たに制作するのは面倒なので、使用中の本体基板のパターンを修正する方向で決定。
■出力専用Virtual-Ground
http://www.amb.org/audio/mini3/mini3_sch.pdf
情報元は上記URLである。
ちょっと見、BTLに見えるが単なる出力専用Virtual-Ground生成しているだけだ。
OPアンプは電源部(TLE2426の出力)のVirtual-Groundを使用し、出力部は専用のGroundをOPアンプから生成して左右のグランドとした構成である。
入力のグランドと分離されるのでその効果がどのくらいあるのか興味津々。
これを参考にして、最小の変更で実現できるようにしてみた。
構成した回路は以下の通り。
従来は電源部の NJM3414 の2回路を電源として使用していたが、片方を電源、もう一方を出力用グランドとして使用。
アンプ部の変型47Aに変更はなく、出力のグランド接続先の変更のみ。
ゲインが高くてヒスノイズが気になっていたので入力抵抗を上げてゲインを「2倍」に下げた。
大きな変更は、分圧回路で使用していた (+)–330uF–(G)–330uF–(-) の部分を削除したところだ。
試聴上は気にならなかったが、付けたままだとシミュレーション上で波形が崩れた。
アンプ部はこれまで使用していたペアで前段:NJM4580DD+バッファ:NJM3414で構成した。
NJM3414 だけの構成だと高域に繊細さがなく低域よりの音。
NJM4580DD だけの構成では華やかさがありソツ無く鳴らしてくれる。長く聞いていると低域をもう少し欲しい。
というわけで良いトコ取りとなった構成である。
オフセット調整はしていないが、左右とも0.7mV 付近で落ち着いている。
OPアンプの個体差でもこの辺りは変わるので、電源のOPアンプも合わせて3つの組み合わせを色々試してみるのが良い。
LTSpiceでの周波数特性で見る限り不満はない。
■試聴
結果的に結構な変更を施したが、音的にはあまり変わらない。分らない。
電源の 330uF を削除したことにより、電源ON時のポップノイズが大きくなった。
良かったことは、オフセットが大幅に減少したことくらい。
またしばらく使い続けてみよう。
就寝前に2時間くらいお気に入りCDを聞いてみたが、何か物足りない。
使用しているバッファOPアンプを NJM4556ADにしたら、高中域がハッキリして全体のバランスが良くなった。この音ならいける。
音像がアバウトな感じがするが、このHPAにこれ以上を望むのはあきらめる。
ちなみに電池消費は220mA。結構大きい。出力用グランドとしたためか・・・。電源が発信しているか・・・。
調査が必要だが、面倒なのでたぶんやらないと思う。それでもエネループで約8時間持つので。
うれしいことに、オフセットが0Vで安定している。
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