■ 高校生の頃の基板制作
高校生のころは頻繁に基板を作成していたように思う。
近所の部品屋で生基板が安く売っていた事を覚えている。
今でも「これはうまくいった」と記憶に残っているのは、
・初ラに掲載されていた25W DC-B級アンプ
・オペアンプ・フォノ・イコライザ
・オーディオ・出力メーター(針メーター)
・トーン・コントロール付きプリアンプ
25Wのアンプは、調子に乗って3台以上作成したと思う。
唯一の購読書であり、今だに記事の切り抜きが取ってある。
よく聴いていたChicagoやDoobie、Claptonが美しく再生され感激ものだった。
制作物は、材料費+アルファで友人に譲ったり、自分用は高校卒業の引っ越しの際、
どさくさにまぎれて親に捨てられたり、現在そのあとかたも無い。
今思えば、アルバイトして購入したトランス、メーター、無垢つまみなど結構いい部品を使用していたのにと思う。
話を戻して、当時の基板手順はこうだ。
1)回路図を元に生基板にパターンを鉛筆で下書き。
2)間違をチェック、油性マジックとマニキュアで上書き。
3)消しゴムで下書きを消す。
4)基板をよーく乾燥させて、塩化第二鉄を溶かした溶液でエッチング。
5)マニキュア・リムーバー(アセトン液)で拭きとり&クレンザーで磨き。
6)最後にフラックス塗り。
しかしこの方法では、難点があった。
ICのパターンが難しいこと。特に穴を直線&均等に空けること。
ICや小信号Trを隣接させるパターンが難しいこと。
おのずと基盤が大きくなること。
部品穴など細かな作業は出来ずにベタ塗りになるので、出来上がった基板だけでは穴あけ位置が分からない。
また、チャンネルあたり5石ぐらいのものであれば毎回手書きでも可能だが、
それ以上となると、さすがに時間がかかるし面倒くさい。
高校生の頃は時間もあったし、手間がかかってもそれ自身が楽しかったことを思い出す。
感光基板なるものが存在することは知っていたが、高校生のこづかいでは高根の花。
その分、パーツが欲しかった。
パターン書きではレジストペンも良く利用したがすぐ減ってしまい、油性マジックが常用となる。
黒、赤、緑 どの色も2度書き以上が必要で、かなり手間。
書く際には、直線書きに製図用の消しゴム金属プレートなども多用していた。
しかし、せっかくパターンもムラができ自然メッシュが多くできあがり、その防止策として使用したのがマニキュア。
細かいパターンは描けないが、ある程度幅のあるところにはかなり有効。
難点は乾きが悪いこと。冬などはドライヤー必須だった。
手間を惜しまなければ、まだまだ有効な手順ではないだろうか。
■ 大人の基板制作
さすがに、昔の手順で作成する気にはならない。
大人になると如何に手を抜くかをすぐ考えてしまう。
ただ昔に比べ、回路図の部品点数が格段に多い上、パターンも細い部分がほしいところがある。
感光基板の利用も考えたが、かなりの初期投資が必要そうだ。
ググっていると、いくつかの方法が見つかった。
ひとつは、Tシャツプリントのシルクスクリーンを使用した方法。
最初の版作成の手間だけで、再現性にすぐれ良い方法だと思った。
初期投資も少ない。が、版の失敗は痛い。
圧倒的多数派は「トナープリント」。
さすがにこのためだけにレーザープリンタを購入する気はない。
手軽なコンビニのコピー機を使用すれば、初期投資はほとんどない。
反面、今までとは異なる熟練とコツが必要な感じだが、試してみる価値はありそうだ。
まずは最低必要な、生基板と塩化第二鉄の調達。
生基板はガラエポ。特売であった0.9mm を選択。
エッチング溶液は専用ではなく、お得な工芸用の塩化第二鉄にした。廃液処理剤も忘れずに・・・と。
ネット通販はほんとに便利だ。
3日もしないうちにどちらも到着。
塩化第二鉄の調達にいくつか薬局を回ったが、今では薬局では売ってくれないようだ。
あとは100円ショップで、密閉蓋付きのポリ容器、金属たわし、クレンザー、スポンジ、アセトン液を購入。
ゴム手手袋もあった方がいい。
経験上、塩化第二鉄は皮膚に染み込むので危険だ。
どう危険かは分からないが体にいいわけがない。
アイロンは、奥様に許可を得ることにする。
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