■ 電源の ザワワ vs 静寂

ブレッドボードでのテストにおいて、主に「スイッチングアダプタ」を使用しているが、どうしても無音時に遠くの方で何やら「ザワザワ」した雰囲気がある。
入力を絞っているのに無音ではないのだ。
47uHと0.1uFをかませてハイカットしている「つもり」なのだが「つもり」で終わっている。
実績のあるスイッチングアダプタなのでこんなはずがない・・・はず。
ノイズは、このアンプ部との組み合わせで発生しているのかもしれない。

やはりトランスを試してみなければなるまい。
ジャンク箱の中からトランス式のACアダプタを探す。
電圧を12V以上で探していると、SILICORE というメーカーの13V/800mAを発見。
今回の用途には、まさにおあつらい向き。
昔、アメリカの機器を使用していた時のものだ。
3つ残っていた。もっとたくさんあってもいいはずなのだが・・・・・奥様に破棄されたか。
とりあえず使用してみることにした。

まず、裸の状態で計測。
おいおい!!!!!! 24.4Vも出ている。
13V/800mAと書いてあるのにいくらなんでもこれは無いだろう。
接続されていた機械はここから必要な電圧にドロップしていたのだな。
他の機械と共通使用していたと想像できる。大量仕入れによるコストダウン。
ひとまず、7815を素直につなぎ給電してみると・・・・・・
7815の発熱が凄い。発振か?はたまた、さすがに8Vドロップはきついのか?
キチンと発振止めはしてるのだがなぁ。
それよりものすごいのが「ハム」。8Vもドロップしているのに。
トランスの問題か?
あれこれ電源のコンデンサを追加/交換してみるが効果なし。
ところがアンプ側の+/-電源の4700uFを470uFにするとピタッとおさまる。
理由は例によって分からない。トランスとのインピーダンスの問題なのか?

まあ、とりあえず使えそうだ。
本体は既に破棄済みなので興味本位ということもあり“どんなものが入っているのだろう”と殻をむしり取り裸にしてしまった。
ごくごく平凡なトランスが出てきた。当り前か。暇だとロクな事をしない。

気になっていた無音時の「遠くでザワザワ」は消え去り静寂となった。
さすがトランスだな。
「スイッチングアダプタ」を使うにはまだまだ技を磨かないといけない。

入力電圧に余裕があるのでダイオード3個でかさ上げしてみた、17V付近を出力。
7815の発熱は放熱器を付けて解決。
150mA程しか流れていないのに。

7815の在庫が少ないうえ7915とのペアで揃えてあるので、今回の使用を避けることができないか。
ロジックを組む予定で腐るほどストックしてある7805をうまく使う方法はないか。
かさ上げして何とか12~15Vにできればシメたものなのだが・・・・・。
単純に考えて緑LEDを6個ほど積めば・・・・・それも手元に残っていない。
7805の3段積みなんてことはできるのかな?
そういえば78xx系のSPICEモデルを持っていないな。シミュレーションができれば簡単でいいのだが・・・・
考えることしばし・・・・・、“Tr1個でできそう”。

さすがに、10Vのかさ上げで安定するのかどうか不安があったが今のところ大丈夫そうである。
ノイズもないしハムも出ない。
7805の発熱も少ない。
良いことづくめ。
Tr1個では安定度として課題山積だがシビアになるような電源ではないのでこれで決定だ。
じわりじわり電圧を上げていき20V付近まで使用できることを確認。
それで、ちょっと欲張りつつ余裕をもって電圧は18V。
おかげでスピーカーからの音が素晴らしく良くなった。
大音量でも電圧の大きな変動は無さそうなのでマル。

今回の電源で、電流部バッファのTrには 20mA/個 になり、パラっているので40mA/ch。いい感じだ。
バッファに手をかざすと周辺がほんのり暖かい。

気になる音だが、静寂性のおかげか高域が綺麗に聴こえ音の切れが良くなっている。
ネットラジオのソースによっては圧縮の際の高域が耳に刺さる。
「切れ」&「刺さる」の原因は、巷で言われているセラミックのせいだと考え、パスコンをフィルムへ変更したら高域が丸くなりトライアングルが微かに鳴る場所でその音色が埋もれてしまった。
セラミックの功罪はともかく埋もれてしまうのは勘弁。
続いて470uFをNichiconの金帯のグレードの高いものへ変更してみると高域の小さな音も拾いつつ「刺さる感じ」は無くなった。
このコンデンサの変更で低域の量が多くなり音場が全体的に広がるようになっている。
ただちょっと“低域出過ぎ”。
もう少しシャープな感じが欲しい。
エージングに期待しよう。

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