あ~~ストレスが溜まる!
仕事ではない。梅雨のせいだ。
でも夏のことを思えば今降ってもらわにゃ困る。
ただ梅雨明けが8月にズレ込むとの予報もでている。
屋外でテニスも出来ず、部屋にこもって筋トレするも1時間もたない。
梅雨はまだ始まったばかりだ・・・
この土日、時間を持て余していたので汚部屋で、内緒で「ハンダゴテ」を取り出しチョット遊んでみた。

 

■ KENWOOD の出戻り

かつて、子供へのところへ嫁いで行った KENWOOD のミニコンポが戻ってきた。
レシーバーアンプ本体はというと・・・・
“CD、MDが聴けなくなった。
ラジオは聞かないので使えないから捨てた!
スピーカーは一応取っておいたからあげるね。”
の一言。
ア、アンプの残骸・・・ぶ、部品取りに・・・・・なんて子供は考えてくれない。
壊れたら、即座にゴミだ。
まぁ、それでもよくスピーカーだけは戻ってきてくれた。
長年嫁いでいたわりには思った以上に綺麗。
それもそうだ、本体が壊れてから全く鳴らしていなかったとのこと。
その後、コンポやアンプは購入していないようだ。
今時の若い人はiPodは持っていてもコンポは必要無いのかな?
オーディオ業界不振が叫ばれているが、このあたりからもうかがえる。
LS-HD7_front
LS-HD7_front2

LS-HD7 という型番。
音の方は、というと KENWOODよろしく「ドンシャリ」。
常にラウドネスが掛った状態だから音量が小さくても、そこそこに聞こえる。
狭い日本の住環境からすると、SPの大きさや再生音量などの問題から効果的な音作りなのかもしれない。
当然、大きな音で鳴らせば、この箱からは想像できないような量の低音が出ることになる。
うまい作りだ。
ただ、その時のバランスがいかがなものなのだが。(※あくまでも個人の意見です)

箱は密度の高いMDFで、しっかりしたイイ作り。
TWの音は柔らかい。刺さらない。
PP(ポリプロピレン)のMID-WFもまんざら捨てたもんでもなさそう。
エッジは劣化の少ないゴム。硬化が心配だったが、触ってみた限り大丈夫そう。
ネットワークだって、2nd/2ndオーダー。
LS-HD7_spec2 LS-HD7_spec1
F特:51Hz~20KHz
う~ん、ほんとに?・・・

 

■ 復活の儀式(臓)

チョットお遊び。
高級部品は使用せず手持ち部品と極力流用で、変身させよう。
と云っても、外観ではない。

目的は、デドックス。
修正するところは、そう・・・箱の中の臓物。ネットワークの世界。
この特徴的なドンシャリの矯正。
程よいドンシャリは嫌いではないのだが、どちらかと云えばシャリ(高域)好き。寿司食いて~~。
LS-HD7_network

TW側の帯域をもう少し広げるのだが、あまり下に伸ばすのは得策ではない。
ミニコンポのTWは、元々の設計から下まで出るような物を使用していないことが多い。
このホームページを始めたころ好奇心も手伝ってTW利用の目的で KENWOODの他のミニコンポのSPを数種、ハードオフで購入して使用してみたが、大抵 クロスを1KHz~2Khzの設定で音がビビってしまい敢え無く中止。
普通に使えば定位も音も良いユニットであったが用途に合わず、仕方なくHiViの単体に買い直した経験がある。
よって下られげても2.5Hz付近までと考え。理想は3KHz以上。
そこで、現行より気持ち下へ移動させるために、3.3uF(NP) から 4.4uF(フィルム)へ交換。
0.47mHのコイルはそのまま流用。
TWを8Ωとすると、感覚的に3~3.5KHzのカットオーバー(?)。
アッテネータ?用に スピーカにシリーズで2.7Ωが入っている。
これではハイ上がりを押さえていると思われるが、どうしてもこのままだとWFレベルと合いそうも無いのでTWに12Ωをパラレルに接続、アッテネータ化する。
欧州向けでは、ここに12Ωが入っている。これって、約-4dB。
これでレベルが合えば結構なことなのだが・・・

WF側は、大幅変更。
クロスをTWと同じカットオーバー付近まで上げる。

そのために、2.2mH から 0.45mHへ交換。
コンデンサ8.2uF(NP)はそのまま。
さらに、インピーダンス補正として 10uF(NP)+8Ωを入れる。
ネットワーク基板には、TWの12ΩもWFのインピーダンス補正もパターンが入っているからそこにパーツを置くだけ。
これでDoDa~!

あれ?変~~~~。音がラヂオ~~~。
元の回路が正相接続なので、TWを逆相にしてみるが・・・それでも変~~。

やっぱりF特チェックしないとダメか~。
ユニットの特性も全く不明だから、そこから測定じゃ面倒くさい。
“機材出すまえに部屋を片付ける方が先だ~”と奥様に怒鳴らる。きっと。
よって、今は耳だけが頼り。
この作業は耳がバカになって切りが無いんだよね、特に駄耳だから。ブツブツ。
長~い TRIAL&ERROR の始まりはじまり~。(TRY&ERRORではないんだって。勉強になります。ハイ。)
考えてみれば、WFは6Ω。この値では無理な訳だ。

● 1st TRIAL
あれこれ、とっかえひっかえ、格闘。
ひとまず落ち着いたのがこの値。
2u2は秋月のパナソニック社製フィルム。ちなみに50V。
使用コイルは、色々なスピーカーから分捕った臓物ストックや購入したもの。

TW側
C1: 4u4 (2u2 2para)
H1: 0.47mH(元のまま)
R1: 2R7 (元のまま)
R2: 12R0
逆相接続

WF側
H1: 1.2mH(フェライトコア)
C1: 10u4 (元の8u2 + 2u2)
インピーダンス補正なし。

“元気良く”鳴る設定だ。
これでも、十分イイのだが、いつも聴くバイオリンやフルートのあの独特な音色がチョット薄い。
それと高域がまだ強いかなぁ。
もっとチョット詰めてみよう。
夕食後の憩いの時間、部屋に篭って作業。
手元が見づらくて、肩が凝ってきた。イタタタタ。 え~~~い、酒だ酒だ!
老眼が進んでるなぁ。ハァ~。

● 2nd TRIAL
TW側の値も大幅に変更してみる。
お決まりのバイオリン、フルート、ピアノでチェ~ック。
特にフルート。あの倍音がきちんと表現できないとフルートでなくなってしまう。
ピアノだって、さもすると、「おもちゃのピアノ」の音になってしまうので要注意。
バイオリン。これは身近なだけに永遠の課題。個人差、個体差がありすぎる。
バイオリン基準で合わせると、ついつい好みの音にしてしまう傾向がある。
そのため、いつも他の楽器の音で調整/矯正しながら“妥協点”を探っている。

まだちょっと違和感があるが、それでも90%くらい“それらしく”なった。
まぁ安物パーツを使ってもここまで出れば、結構、結構。

TW側
C1: 6u6 (2u2 3para)
H1: 0.22mH (フェライトコア)※1
R1: 2R7 (元のまま)
R2: 9R1
逆相接続
(※1:元の0.47mHと手持ちの0.45mHの並列もやってみたがあまり芳しくない。
配置の問題かもしれないが・・・)

WF側
H1: 0.7mH (フェライトコア)
C1: 12u6 (元の8u2 // 2u2 2para)
インピーダンス補正なし。

R2は、12R0~10R0ではまだチョット高域が強く元気な感じだな~、でも8R2では沈みすぎる。
9R1くらいが躍動感が残りちょうどいい。こればっかりは好みだ。
R2値は前段のパーツでも変わってくるので、それらとのすり合わせで幾度となく調整の結果の値。

● 3rd TRIAL
それから数時間この値で聴いているが、なんだかまだシックリこない。
ベールが掛っている。
TW側は、この値の方がいい音を出しているので、ひょっとすると問題はWF側の値だ。
それをベースに考え直してみる。
インピーダンス補正を入れると複雑になるのでひとまず省略し、コイルとコンデンサの組み合わせだけをあれこれ試聴。
で、出た結果がこれ。

TW側
C1: 8u8 (2u2 4para:フィルム) もしくは 6u6 (2u2 3para:フィルム)
H1: 0.47mH(元のまま)
R1: 2R7 (元のまま)
R2: 8R2
逆相接続

WF側
H1: 0.93mH(0.7mH + 0.23mH :フェライトコア)または元の2.2mHの改造品(0.9mH)
C1: 17u0 (元の8u2:NP // 2u2 4para:フィルム)
インピーダンス補正なし。もしくは補正として「3u3~4u7:NP + 22R」

“もしくは”書きの設定は、クロスさせている付近で、どうも山になっている感じがあったのと、TWをあまり下まで伸ばしたくなかったことを解消させた設定。気分的な問題。
まぁどちらの設定も、これまでの中でいい感じ。高音の抜けもイイ。
TWのC1が8u8でもビビりはないのでこの設定でもいいのだが、まあこの耳ではどちらか判別できなかったので小さい方に。
6u6なら高域が少し丸くなるが「元の3u3:NP // 3u3」で3u3:フィルムを基板裏に貼り付けるだけのお手軽も出来る。
ソースによってはこちらの方が聴きやすいかも。
R2は、8R2でちょうど。あくまでも自分には。

WFのC1は、「元の8u2:NP // 4u7:NP // 2u2 2para」と「15u0:NP // 2u2」で試した。
少しづつ音が違う。どれも捨てがたい。
今回は、パーツの投入と基板のスペース的な問題もあり「15u0:NP // 2u2」に決定。まぁ単にケチとも云う。エコと云ってくれ~。
15u0:NPは手持ちの臓物ストックから。そこそこ新しめの物を選んで。
できれば秋月で売ってる「オーディオ用無極性電解コンデンサー33μF25V85℃ニチコンMUSE・ES」を直列にして 16u5 にしたかった。
音的に嫌いでないし。なにしろ安い。ただストックは・・・ない。
思えば、フィルムを使わなくてもすべて「オーディオ用無極性電解コンデンサー ニチコンMUSE・ES」でも良いくらいだ。
LS-HD7_network_after

● WFのコイル
コイルは目的の値の物が意外と手元にないことが多い、さらに安いものでも購入するには送料など費用が掛る。
フェライト2個となると、TWの方も含め位置関係が重要になってくるし、そんなことに頭を悩ませるもの面倒だ。
それなら手持ちストックを使わず、WFのH1の元の2.2mHをほどいて今回の値にしてみよう。
元の物だから所定の場所に戻すだけでイイ。
さっそく、コイルをばらしにかかる。
被服で覆われているのでコイルに傷を付けないよう端に切り込みを入れ、あとは手でリンゴをむくようにクルクル剥く。あ~れ~お武家さま~。
裸にするとコイルの端が崩れてくるので要注意だ。
coil_before
coil_before_nude

あとは、これをどのくらいほどくか。
ところでLCR計はいづこ(何処)?
う~~~ん。思い出せない。
結局、引越しの荷物の中を探すのに日中掛ってしまった。
全ての段ボールの中をチェックして、最後の箱の中に入っていた。それも一番押入れの奥の。
これで、もう脱力感。
遊びに来ていた孫としばらくの間、映画を見て過ごす。
孫は途中で爆睡。
せっかく「ガメラvsギャオス」を借りてきてあげたのに(ただ自分が見たかっただけなのだが)・・・・あまり興味はなかったようだ。

秋月で購入した一世代前のLCR計は誤差がひどく、数mHの計測では、その誤差が大きすぎて使い物にならないので、幾つか試した中でコンスタントな数値を出す6.09mH のトランスを、常にシリーズ接続して計測している。
よって、6.09 + 0.9 = 6.99mH くらいの値になるまでほどくことになる。
LCR計でチェックしながら丁寧にほどくこと、560cm。
re-coil_remove
ほどいている最中は、テンションを軽く掛けながらほどかないと、一気に緩んでしまう。要注意だ。
最終的に 0.92mH(7.01mH) になった。
re-coil_0m9
coil_measure
LS-HD7_network_after2

これで最後か!バイオリン、フルート、ピアノ を再び聴く。
いい~感じになってきた。
コイル2個の直列よりこちらの方が、TWとのつながりが良さそう。
相変わらずインピーダンス補正の有無は顕著にでる。無い方が躍動感ある音になるが、少々ウルサイという感じでもある。
3u3+22Rくらいで入れておいた方が感覚的には良さそう。

いずれにしても、F特がどんな感じになっているのか、どこに落とし穴があるのか、全く分からない状況。
F特は機材をだせるようになったら計ってみよう。
いや、きちんと計って再調整しないと。
見ながらやればもっとイイ設定が見つかるに違いない。

ちなみに、使用した機器はヘッドホンアンプの ClassAA-sub。
音源はPC+白箱DAC改。
自部屋メインのMARATZのアンプは、まだ灯を入れられない状態。

今回の変更、TWの下を少し伸ばしたおかげで高音域部の一番敏感な場所での感度もそこそこになり、さらにWFの上伸ばしも相まって高域に厚みが生まれ大人な音を奏でる。
低音もフツーに出ている。1mのニアフィールドで聴いているからだろうか。
ちょと離れても、歯切れよく力強くはないが聴こえてるというか感じとれる。
ところがボリュームを上げていくと・・・ん~ボンつく。気持ち悪い。
置いてある足場が悪いせいかもしれない。
もしかしたら「箱鳴り」もしているのか・・・。
吸音材がゼロだったので、この辺りも調整範囲としてメモメモ。

それにしてもネットワークは恐ろしい。音がコロコロ変わる。
チョットお遊びのつもりだったが、ここまでやったらこのまま放置プレイはもたいない。
リビングに持っていくか!
ではリビングで予定しているスピーカーはどうする?
奥様は、初期に使用していて薄型テレビ導入時にお蔵入りしたMTMのスピーカーがどうも好みのようなのだが、今回の物を聴かせて相談してみたところ、あっけなく却下。
6.5インチのMTMは音と迫力のバランスがとてもいいのだ。今回の物は到底それに及ばない。
ただ現在はというと、以前デスク設置だったS-ST05 をTVの後ろに仮設置している状況。
TWを追加してバランス良く聴ける状態にしてあるが、いつまでもこのままで放置していたせいか藪蛇になってしまい、奥様から“いつ入れ替えるの?”の質問ならぬ尋問が。
無言・・・。カツ丼が出てきそう。

ひとまずこれは、自部屋で使うことにする。
自部屋のスピーカーが出せるようになるまでのツナギ・・・・として。
いつになるやら・・・・

スピーカー出せるようになるにはデスクも作らねばいけないのに、既に長梅雨模様。
いつになるやら・・・・こちらも。

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