電源、USB搭載が決まったので、次はメインのアンプ部。

■前奏
— まさかのリハビリ —

いよいよメインのアンプ部といきたいところだが、
今年の暑さで体調を崩し安静にしていたところに追い打ちをかけるかのように坐骨神経痛。
まさに「泣きっ面に蜂」。鍼もいつもより回数多めに打ったが一向に効き目なし。
一時は「治るのか?」と思ったほど。
最後のいた~い鍼が効いたか、ようやく軽く歩けるまでに復活してリハビリ段階に入った。
ただ今だコルセット中の身の上、背中/腰にあまり負担を掛けることができないので、制作の方も頭のリハビリがてらちょっと気晴らしにお手軽そうなものを。

電圧増幅段、電力増幅段のオール・オペアンプはA47など、これまでも幾度となく試行してみたが、あくまでもヘッドホン用途であり、オペアンプだけで本格的にSPを鳴らそうとは思わなかった。
そもそもSPでも鳴らせるものを作るために、Trバッファを検討している訳なのだが。
電力増幅段のオペアンプをパラレルにして出力を稼いだらどうなるだろうと単純に考え、リハビリも兼ねてそれを試してみようと思う。

回路はいたって簡単、シミュレーションするまでもなく。
結果的には回路図を描くのにLTSPICEを使ったので確認までにシミュレーションも行う。

回路図

電力増幅段には、150Ω負荷にも十分供給できる NJM4556ADD を使用。
電圧増幅段には、NJM2043DD を使用。
NJM4580DD、NJM2043DD、NJM2068DD、NE5532 から音で判断した。

音楽ソースは、リビングでもヘッドホンでも聞きなれている Tchikovsky Piano Concerto #1 と Beethoven Violin Concerto など。
いつもピアノでは響きと音色そして特定音階でのフォルテシモ時の歪みなどをチェック。バイオリンは単純に音色が主。
あとは、全体的な雰囲気がどう聞こえるかを確認。
まずはブレッドボード組みで試聴。
NJM2043DD + NJM4556ADD x5 の組み合わせ。
NJM4556ADD の持ち合わせが5個しかないので、とりあえず1チャネルでのテスト、NJM4556ADD(1/2)の10パラ。
電源はこれまで作成してきたもの。
出力にドリフトがみられたのでDCオフセット回路を入れた。
簡易型でNJM4580DDのオフセットキャンセルも行っていない。そのためオフセットの少ないものを選択して使用した。

実際にはそれだけではなくノイズや発信に見舞われ、パスコンや位相補償などをこまめに調整する羽目になった。
やはりオペアンプの時はしっかりと基板に組んだ方がよさそうだ。

試聴の結果は、8Ω負荷に接続しても力抜けしない。結構、鳴りっぷりがいい。低域の締まりもいい。
ヘッドホン時においても力が増したように感じる。高域にきつさが出るソースもあるが結構いけるんでないか。
しかも、NJM2043DD は広がりや響きが伝わり、結構好みの音になっている。SPでのバランスもいい。
他はというと、
NJM4580DD は、全体的に大人しすぎ。
NJM2068DD は、NJM2043DD と傾向は良く似ている。個体差かもしれないがノイズが NJM2043DD より多かった。
NE5532 は、高域が抑えられ全体的に中低域メイン。高域がもう少しほしい。
5cmの小型SPに切り替えたら、バランスが良くなった。デスク常設のSPでは高域不足なのか低域過多。

Trバッファよりクリッピングが早いようだが電源電圧を上げれば解決するだろう。

気に入ったのでミニサイズの基盤に実装してみることにした。
オペアンプはソケット差し前提で・・・・・しかも手持ちの安めの20Pのソケット。

ベース基板

ベース基板

ベース基板

ベース基板

基板スペースの関係で、 NJM4556ADD は 2個/チャネル。
パスコンなどは基板裏面や隙間に入れることにする。
220P はすっかり忘れていたので無理やりねじ込んだ。

とりあえずベース基板だけの使用で数日間聞いているが、以外にもよい音で体調的に根気が続かないくじけそうな心に
「アンプ部もこれで良いではないか」という悪魔のささやきが・・・

電源をベース基板専用に +/-12V(12V1Aスイッチング電源x2)にしてみた。
電圧を上げて分圧でないキチンとした2電源にするとビックリ。拍手!ご立派!抜けがよくなった。
やはり NJM4556ADD のパラレル数を増やせるよう、急遽4個/チャネル追加できる追加基板も制作。
ベース基板を上に乗せる2階建てにするつもりだ。

「基板図」

バッファ基板

バッファ基板

バッファ基板

バッファ基板

+/-7.5V時の消費電流はと・・・・43mA・・・ベース基板だけで。
SPに接続するとあっという間に60mA付近まで跳ね上がる。
バッファ基板は、予想では おおよそ 56mA くらいになるな。
合わせて、約 100mA が 無音時の消費電流か。

出力はというと、+/-15V で 8Ω負荷で約10W出せそうだが、・・・こんなにも必要ない。
+/-12V だと 約7W。
+/-9V で 約3.5W。手持ちトランスの関係からもこの辺りが落とし所だろう。

いずれにしても電源電圧の変更だけで高出力化できるのであれば便利なので、これだけで別アンプに仕立てておこう。
機会を見て NJM4556ADD を追加購入だな。2階建て用ジョイント・コネクタも無いので一緒に購入しよう。
事のついでに電源ON/OFF時に発生するPOP音対策も検討だ!

しばらく聞いていると他のオペアンプはどうなのか気になってきた。
やはり低負荷に耐えられるもの・・・600Ω負荷が可能なものでは 5532系列が考えられる。
今回の電圧増幅段にはマッチしなかったが、NE5532 はもともと評判がいいので、バッファに使っても音が良さげのような気がする。
NJM5532DD より NE5532 のほうが評判はいいようだ。
秋月で入手できる 5532 系列は NJM5532DD、NJM2114DD。
ただ、いったい幾つパラったらよいのか?その数量次第だが・・・概算では最低30個/チャネル近く必要。
ちっとも手軽でない!本腰ものではないか。そこまでする気はない。
電圧増幅段を他のものに変えてみるくらいに留めておくことにしよう。

参考までに・・・・
パーツリスト(基板のみ) 秋月価格

部品 単価 数量 金額 備考
NJM4556ADD 200 3 600 (5個パック)
NJM4580DD 50 1 50
NJM2043DD 250 1 250 (4個パック)
ICソケット20P 100 1 100 (10個パック)
積層フィルム2.2uF 200 1 200 (10個パック)
積層フィルム0.1uF 100 1 100 (10個パック):場所によって2パラ
フィルム100P 100 1 100 (10個パック):100P 2パラで使用
ピン 50 1 50 1列レツ
抵抗 1Ω 100 1 100 (100個パック)
抵抗 10 16 160 (1Ω以外)
ユニバーサル基板 60 2 120
配線材 適当な銅線 LANケーブル線使用
合計 1830

 

※1Ω以外の抵抗は秋月以外で購入時の概算

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